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【4月 生物編】医学部合格に向けた学習アドバイス【浪人生向け】

【4月 生物編】医学部合格に向けた学習アドバイス【浪人生向け】

京都医塾生物科です。

医学部受験を目指して学習を進めていくことにした受験生に、生物の学習方針をアドバイスしていきます。この記事では、主に浪人生として受験勉強に専念して日々を過ごすこと、を想定して話を進めていきます。

医学部受験生への学習アドバイス

医学部に合格するにはどんな力が必要か

『医学部に合格するためには難しい問題を解けるようにならなくてはならない』と、最初から背伸びをして難易度の高い問題集に取り組み始めてしまう受験生は少なくありません。特に、実際に医学部を受験してみて、試験問題を目にした後の浪人生であればなおさら、問題演習を重視したくなるのかもしれません。しかし、その難しい内容をきちんと理解するためには、その基盤となる基本事項を理解していなくてはいけません。解説を見ても結局何をやっているのか分からない、という問題をいくら解いても、自分の力にはならないのです。

そのため、実際には『基本事項を正しく理解する』ことから始めることが、一見遠回りのようですが最も効率のよい学習ということになります。生物の場合は、細胞やその内部のしくみなどのミクロ分野から、生態系や系統分類などのマクロ分野まで、扱われる内容が多岐に渡りますが、大学入試ではその全ての分野から出題される可能性があります。高校生物の全分野にわたって、知識を正確に理解して身につけ、現象の原因まで考えて他人に説明ができる状態にすること、を目標にして学習を進めていきましょう。

始めに手をつけたらいいこと

まず、学習計画を立てる前に自分の現状を確認しましょう。高校の教科書で扱う範囲の中で、どれくらいの内容を「正しく」理解できている状態でしょうか。生物は「覚えるべき用語」がたくさんある科目ではありますが、丸暗記することで乗り切れるという科目ではありません。高校の定期考査で高得点を取ることができるかどうか、ということと、入試問題を解けるかどうか、ということは全く次元が異なっていますので、入試を見据えた学習では「覚えているか」ではなく「理解しているか」を確認しながら学習を進めていく必要があります。そのため、初めて生物を学習する、久しぶりに生物に触れる、という人はもちろんのことですが、たとえ生物は得意、自信がある、と思っている人であっても、まずは基本事項の確認から学習に取り掛かっていくことが大切なのです。

年間の計画の立て方

年間の学習計画は、受験の日程から逆算して立てていきます。学習の進み具合によって多少の変動はあるかと思いますが、大まかには次のような流れになるでしょう。

4月~7月
 基本事項の確認 用語を正確に覚える
7月~8月
 基本事項の確認終了 苦手分野の克服
 基本レベルの問題演習 簡単な実験考察問題などにも着手
9月~10月
 標準的な問題演習に着手
11月~12月
 志望校だけでなくそれ以外も含めて大学入試問題演習
12~1月
 国公立大学志望の場合は共通テスト対策
受験直前
 基礎知識の再確認と問題演習を並行して進める

つまずきやすいポイント

学習を進める上で気をつけなくてはならないのが、どの科目であっても同様なのですが、一度理解し覚えた内容であっても、その内容に触れないまま時間が経過してしまうと忘れていってしまう、ということです。一度やったから大丈夫、ではなく、繰り返し何度も同じ内容に触れて、理解を深めていくことが必要なのです。その繰り返しに必要な分もあらかじめ見越して学習時間の配分をしておくことが、スケジュールに則って学習を進めていくためのカギになります。

また、浪人生は学校などの時間の制約がない分、生活習慣が不規則になってしまったり、科目ごとの学習時間に大きな偏りができてしまったりするリスクを常に抱えています。最終的に受験に必要となる科目全てに対して、高い学習効率を維持しながら十分な学習時間をかけていくために、大まかな計画だけではなく、日々の時間の使い方に対するプランニングを詳細に立て、常にそれに基づいた行動を心がけましょう。

まとめ

生物は学習内容が幅広く、必要な知識が非常に多い科目です。理想通りに学習が進むとは限りませんから、つい焦って先を急いで難しい問題に手を出したくなってしまうかもしれません。しかし先述の通り、生物の学習において最も重要なのは『基本事項を正しく理解する』ことです。知識習得・理解の過程を決して疎かにせず、丁寧に着実に学習を進めることを重視して学習に取り組んでいきましょう。

投稿者:廣瀬 希

  • 役職
    生物科統括/生物科講師
  • 講師歴・勤務歴
    11年
  • 出身大学
    京都大学大学院理学研究科
  • 特技・資格
    中高の理科教員免許所持
  • 趣味
    読書
  • 出身地
    岐阜県
  • お勧めの本
    ざんねんないきもの事典

受験生への一言
興味を持つこと、が理解に近づく第一歩です。いきものに興味を持って、生物の学習に取り組んでほしいです。