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【12月 物理編】医学部合格に向けた学習アドバイス【浪人生向け】

【12月 物理編】医学部合格に向けた学習アドバイス【浪人生向け】

京都医塾物理科です。

 冬を迎え、寒さも本格化してきました。街はクリスマスソングに溢れ、浮ついてくるころです。その中で自分を律し、目の前の勉強に日々向き合っていく受験生に、まずはエールを送りたいと思います。きっとその努力は、長い人生をかけて、結実していくことでしょう。

 さて、今月は、いよいよ目前に迫ってきたということで

・大学入試共通テストについて
・12月の勉強のポイント

をお届けします!

■大学入試共通テストについて

・出題範囲について

 出題科目は、「物理基礎」と「物理」に分かれています。ざっくり言えば、

・「物理基礎」:文系用

・「物理」:理系用

と考えて差し支えないでしょう。以下では医学部志望者を想定し、理系用の「物理」に絞って話を進めます。

 まず、出題科目「物理」は、学習科目としての「物理基礎」と「物理」の全体が出題範囲となっています(要は、高校物理の全範囲です)。そのため、「力学、波動、熱力学、電磁気学、原子物理」の全5分野について、満遍なく知識を習得しておく必要があります。また、現役生などにはありがちですが、原子物理まで勉強しきれずに本番を迎えてしまうと、知識面から解くことが不可能になってしまう問題が出てきてしまいます。したがって、塾や予備校の進度があまりにも遅いという人は、先取り学習の検討も考えてみましょう。

 次に、問題の中身についてです。センター試験は「広く、浅く」のスローガン通り、物理全体の基礎を漏れなく固めておけば、安定して高得点を狙いやすい構成となっていました。しかし、現行の共通テストでは、その場で与えられた実験の考察が、大問1つ分かそれ以上に要求されています。このような問題では、実験に対する仮説とその検証について、正しく科学的な方法に基づいた考察を行う力が必須となります。そのため、事前の知識(公式暗記)だけで正答に至ることができません(それが不可能であるように、意図して作問されています)。

 このような考察力は、一朝一夕に対策できるものではなく、日頃の訓練を通して身についていくものです。普段から、様々な概念がどのように基礎づけられているかを整理して、丁寧に学習を進めていきましょう。

・時間配分について

 例年、大問は4題です。大問1が全分野からの小問集合で、残りの3題が各分野からそれぞれ出題されています。そのため、物理は全5分野あることから、年ごとに大問単位では出題されない分野もあります(2022年度は波動と熱力学がこれにあたります)。1題あたり15分と考えると、それほど時間制限の厳しい試験ではありません。とは言え、高得点を狙うためには、前述の実験考察問題の攻略が必要です。このような問題の正答率を高めるためには、可能な限りで様々な知識を総動員したいところです。そのため、それ以外の問題を一通り解き終えた後に、時間をかけて様々な角度から選択肢を吟味しましょう。

・過去問について

 過去に実施された2年分について、その本試と追試(初年度は第1日程と第2日程)で4回分の問題があります。百聞は一見に如かずですので、必ずそのすべてを解いておきましょう。

 逆に、それ以前のセンター試験については、余裕があれば解く程度でよいでしょう。むしろ、共通テストを想定して作問された大手予備校の予想問題の方が、直接的な対策として有効だと思われます。

 そして、いずれのテストにおいても同様ですが、ミスしてしまった問題についてはその原因を十分に分析しましょう。そうして見つかった穴を、普段扱っている教材の復習を通して埋めていきましょう。

・当日のこころがけ

 繰り返すように、物理は時間制限の厳しい試験ではありません。各問題について、いつも通りの分析を進めていきましょう。中には、すぐに手が出ない問題もあると思います。そのような問題については落ち着いていったん飛ばし、その先を淡々と解き進めましょう。

 また、物理を含む理科は、共通テスト全体の最後に解く科目となるため、それまでの科目の出来不出来にメンタルが左右されやすくなります。その気持ちは十二分に分かりますが、そのたびに「一つ一つの科目は独立である」ということを自分に言い聞かせてください。物理に限ったことではありませんが、毎時間その目の前の科目に向き合えるように、自分なりのルーティンを確立しておくとよいでしょう。

■12月の勉強のポイント・学習アドバイス

 12月だからと言って、特別なことはありません。「全分野の基礎固め→入試基礎・標準演習→(時間が余れば)志望校の過去問演習」の流れが基本です。とは言え、共通テストも1か月前になると、否が応でもそれを意識した勉強にシフトしていきます。逆に言えば、それまではここまでの勉強を続けてください。

 これからテスト形式の演習が多くなってくると、解けない問題も募ってくるため、焦りも生じやすくなってきます。そういったときは、必ず基礎に立ち返りましょう。普段から扱ってきた教材を振り返ることが一番です。それ自体が自分の足跡を振り返ることになり、「これだけやってきたんだ」という自信にもつながります。挫けずに、一歩一歩進んでいきましょう。

京都医塾ではご相談・体験授業を随時募集しています。下記リンクからお気軽にお問い合わせください。

投稿者:佐藤 寛之

  • 役職
    物理科統括/物理科講師
  • 講師歴・勤務歴
    14年
  • 出身大学
    京都大学理学部
  • 特技・資格
    作業に没頭できること
  • 趣味
    散歩
  • 出身地
    岡山県
  • お勧めの本
    高橋昌一郎「理性の限界」

受験生への一言
まず、目の前の問題が「解けない」という事実にこだわりましょう。解説を読んで理解した気になってはいけません。解けていない原因はほぼ間違いなく、基礎が理解できていないからです。自分でよく考え、それを先生に質問し、友達にも説明してみましょう。やがて、その一つ一つが大きな力へと結実していきます。