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「再受験1年で医学部に合格したヒケツは”自己マネジメント力”」整形外科医 山部孝弘医師

「再受験1年で医学部に合格したヒケツは”自己マネジメント力”」整形外科医 山部孝弘医師

「学び直し」、「キャリアチェンジ」が当たり前になっていく現代では、社会人・大学生になって「医学部に行き、医師になりたい!」と思い、再受験を考える人も少なくありません。

そこで今回は、再受験を決意し一般受験で広島大学医学部に合格した山部孝弘医師にインタビュー。
大学3年生の頃に、再受験を決意され、見事1年で医学部に合格されています。

現役で整形外科医としてご活躍されている山部医師と受験期を振り返りながら、

・医師になったきっかけ
・再受験について
・整形外科医のやりがい
・医師になるために必要な素質

についてお聞きしています。

再受験で一般受験を考えている人には、参考になること間違いなしです!

是非、一読してみてください!!

【山部 孝弘医師 プロフィール】

生年月日:1981年12月12日
出身大学:早稲田大学理工学部卒業→広島大学医学部
勤務病院:佐野記念病院
診療科:整形外科

早稲田大学に入学し、就職活動時に医師の仕事に就こうと決めた山部医師。再受験の期間、スケジュール管理から、目標設定まで一人で行い、見事1年で医学部に合格。勤務医を経て、患者さまファーストな想いを胸に、地域の方々に元気と安心を届けられるクリニックを目指し、2022年9月にご自身の整形外科クリニック「やまべ整形外科」を開業予定。

就職活動中、「何か興味の持てる技術職を身に付けたい」という想いから、再受験を決意

京都医塾)医師になったきっかけを教えてください。

山部)大学3年生の就職活動中です。僕は昔から、他人や環境に左右されず自分のペースで物事をすすめる性格のため、集団の中で競争を勝ち抜いていけるタイプではないと感じていました。そこで、何か興味の持てる技術職を身につけたい、社会的な役割も高く、生活費も十分に用意できる職…と考えていくと、自然と「医師国家資格が最適解だ」と結論に至り、再受験を決意しました。

京都医塾)「そうだ、医師になろう」というお気持ちだったということですね。

山部)就職活動がはじまって気づいたのですが、ほとんどの人たちが、「職探し」というよりは「企業探し」をしていると気づきました。私は、最初に入った会社でその後の人生が全て決まるのはナンセンスだなと思いました。そして、公務員の道も僕には向いていないと考えると、何か興味の持てる技術職を身につけたいとなったんですよね。それが医師になりたいきっかけで再受験をしようと3年の夏頃に決意しました。

京都医塾)やはり、再受験ということで、何か覚悟などはされていましたか?

山部)よく聞かれるんですが、あまり再受験について、「キツイな…」と思ったことはないんです(笑) 「やればできるけど、やってなかっただけ」というのが分かっていました。医学部受験を、「難しいこと」「特別なこと」とも思っていなかったです。

京都医塾)皆さんが、普通に学部を選択するのと同じ、ということですね。3年の夏に決意されたとのことですが、仮面浪人のような形で勉強を進められていたんですか?

山部)実は、医学部受験の勉強は、4年の卒業式前からはじめました!途中、医学部受験のための勉強をしようと考えていました。しかし、大学で部活のキャプテンをしていたので、部活もやりきりたいなと思っていて、大学を卒業をしてから、受験勉強をしようと考えていたんです。

京都医塾)ということは、、1年で医学部に合格されたんですか…!?

山部)そうですね、1度目の大学生生活を楽しみ尽くしたいという気持ちが大きかったんです。もちろん、自分の中で、大学卒業後からの勉強で医学部合格までの算段があったからですよ。

独学で医学部に合格したヒケツは”自己マネジメント力”

京都医塾)再受験1年で医学部に合格する算段といいますと…?

山部)まず、浪人は1年しかしないと決めて、そこから短期、中期、長期の目標を立てました。もちろん、週ごとに振り返りの時間を設けて、目標の調整をできるようにしていました。

京都医塾)しっかりと計画を立てていたんですね。ご自身で目標を立てて、遂行して…修正してとされていたんですか。

山部)一週間のスケジュールを、火曜日〜土曜日までは勉強の日、月曜日は休日と予め決めていました。月曜日に前の一週間を振り返り、目標の調整を行っていました。

京都医塾)1日のスケジュールはどんな感じだったのでしょうか。

山部)勉強をする日は、朝5時に起きて、「1.5時間の勉強+10分の休憩」を1タームとして、19時までひたすら勉強をしていました。大体、1日12時間勉強をしていました。

京都医塾)京都医塾も、90分の授業と10分の休憩の繰り返しです!そして、自習は15分ごとに細かくスケジュールを作成しています。山部さんオススメの勉強法はありますか?

山部)医学部に受かる最強の時間割かもしれませんね(笑) 1日の勉強の中で、僕は特に復習に力を入れていました。自分自身で考えているよりも遥かに人の記憶力はあてになりません。なるべく短いサイクルで復習することを心がけ、1日のうちに2回くらい復習していた気がします。記憶が新しいうちに何度も復習することで、学習が効率的に進みました。

京都医塾)スケジュールの管理能力がすごいと感じたのですが、何か秘訣はありますか。

山部)自分にとって無理なく、継続できるプランを作ることです。普段からマイペースな性格な事もあって、自分が続けられるプランとリズムを知っていたことが大きいですね。再受験の勉強を始めた1週間で、年間のスケジュールを練りました。

京都医塾)スケジュールを作成することで、受験勉強期間中に手ごたえはありましたでしょうか。

山部)9月の河合塾全国模試では100番台の順位まで上がりました。再受験のためお金の負担を考え、実家から通える広島大学一本に絞っていましたが、広島大学医学部の模試では確実に合格圏内。センター試験さえ失敗しなければ広島大学にはまずいける、と確信を持ちました。2次試験の勉強はすることがなくなりモチベーションを保ちづらくなっていたので、一つ上の阪大、東大、京大の問題を解き楽しみつつ、センター試験の対策を早めに始めることにしました。必要なのは明確なやる気と自己マネージメント、きちんとした学習計画だと思います。

整形外科医は、「患者さん、ご家族、周りの人、皆をハッピーにできる」仕事

京都医塾)山部さんは、9月にご自身のクリニックを開業されるということですが…

山部)自分のやりたい医療ができる最善の形が開業医だった。整形外科医として、手術をする以外にも、広く包括的に患者さんを見たい思いが強くあります。

京都医塾)勤務医だと、異動もありますよね。

山部)そうですね、それで患者さんのはじめから最後までを見れないのが勿体ないなと思っていて。自分のクリニックを持てば、手術も出来るし、患者さんも診れる。手術に至るまで、術後のケア等、もっと一人の患者さんに対して向き合いたい。

京都医塾)今よりもっと一人一人に寄り添った医療人になりたいということですね。

山部)整形外科医としてのやりがいは「みんなをハッピーにできる」ことだと考えています。今、女性の平均寿命は約87歳ですが、健康寿命は今約75歳。この10年と少しの差の期間、本人は自分の足で歩けなくなったり、これまで通りの生活を送るのにサポートが必要になるんですね。患者さんも、家族のみなさんも辛い思いをしてしまう。

山部)それに僕が関わることで、患者さんはご自分で元気に自立して過ごせる時間が伸びるし、そのご家族も一緒に過ごせる期間が増えてハッピーになりますよね。そして、視点を変えてみると、若い人たちが、「数十年後も自分は元気でいられるんだな」と想像できると、未来の自分に希望が持てると思いませんか。

京都医塾)たしかに、今を生きる若い僕らも未来は明るいなと思えるようになりますね。患者さんも、周りの人もハッピーにできるそれが医師の仕事、ということですね。では、山部さんが思う医師になる素質はなんでしょうか?

山部)「他人に対する思いやり」と「タフな心」ですね。頭の賢さ、手先の器用さなどもあるに越したことはありません。大切なのはハートだと思います。治療方針で迷う時も常に立ち返るのが「本当に患者さんの為になるかどうか?」という視点です。医療を根本で支えているのが「患者さんへの思いやり」なので、「他人に対する思いやり」が必要だと思います。

京都医塾)もうひとつの、タフな心とはなんでしょうか。

山部)医療人の中で医師はリーダーシップを発揮しコメディカルを引っ張っていく立場でもあり責任も大きいです。しんどい事や辛いことも多いです。

京都医塾)重い側面もあるということですね。

山部)でも、常に一人の患者さんを見ているわけではなく、複数の患者さんを診るのが医師。他の患者さんにはもちろん切り替えが必要。すごく能力は高いのにメンタルがやられてしまう医師の話をよく耳にします。一人一人の患者さんを大切に診るにあたって、タフな心があると医師として生きやすいと思います。

京都医塾)では、最後に医学部合格を目指す受験生にメッセージをください!

山部)再受験で医師となり、勤務医を経て今年9月に整形外科クリニックを開業する予定です。現役生と比べると6年遅れになりますが、医師の仕事を選んだことに満足しています。仕事内容、給与面、社会的な信頼など、あらゆる点で国内最強の免許職だと思います。多少の浪人生活なんてすぐに元がとれるので気にせずに兎に角諦めずに頑張りましょう。医者は楽しいですよ。自分が医者になった姿を想像して、辛い受験を乗り切りましょう!頑張ってください!!!

おわりに

1年で医学部に合格するんだという明確なやる気のもと、
再受験に挑んだ山部さんのインタビューはいかがだったでしょうか。

自己マネジメントが上手くいく秘訣は、無理せずこなせる学習計画ということでしたね。

山部さんの経験を参考に、自分で自分を管理していく術を身につけて、医学部合格を目指していきましょう!

この記事を読んで、再受験をして医師になりたいけど、「なにをしたら良いかわからない」「再受験について相談したい」がありましたら、下記リンクからお気軽にお問い合わせください。

投稿者:穂積 瑞希

  • 役職
    サポートスタッフ
  • 講師歴・勤務歴
    3年
  • 特技・資格
    どんなフライパンでもふわふわのオムレツを作れること
  • 趣味
    料理、ゲーム、散歩
  • 出身地
    京都府
  • お勧めの本
    有川浩さん - 空の中

受験生への一言
よく「笑う門には福来る」という言葉を耳にしますが、化学的に証拠があるそうです。受験勉強を進める中で悔しいことも辛いこともあると思いますが、なるべく笑顔を忘れず、一生懸命頑張りましょう。どうにも頑張れないときは、「笑う門には福来る 証明」と調べてみてください。