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関西医科大学の一般入試の過去問対策・出題傾向まとめ【数学編】

関西医科大学の一般入試の過去問対策・出題傾向まとめ【数学編】

京都医塾数学科です。

このページでは「関西医科大学の数学」についての過去問分析コメントを紹介します。
・“医学部受験に興味がある”という方
・“関西医科大学”の受験を考えている方
・“関西医科大学の数学がどのような問題か知りたい”という方
におススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。

概要

【形式・制限時間・配点】2021年度(最新の問題より) 
形式:空所補充(第1問、第3問(1))/記述式(第2問、第3問(2)以降、第4問)
※年度により各大問の解答形式が大きく異なります。

制限時間:90分
配点: 100/400点

出題の傾向と特徴(6年分)

【出題内容と問題の難易度】

記述式の問題では思考力を問う論証問題が出題されます。また、複雑な計算が必要となる微分法・積分法の問題も出題されます。そのため思考力と計算処理能力との両方が必要となります。 総じて「国公立大学の医学部受験者」を意識した内容であると言えるでしょう。

【頻出の出題単元】

どの単元からも幅広く出題されますが、数学Ⅲ「微分法」「積分法」からの出題が多いです。これらの単元は関数を微分して増減表を書いたり、グラフを描くために極限を計算したり、「手順通り基本に忠実に解く」ことが問われる単元です。また三角関数や指数関数も登場することから、数学ⅠAⅡBの内容の理解度も問われます。さらに計算量が多くなる単元でもあるので、これまでの問題演習の経験の多寡が影響するでしょう。また、数学Ⅰ「集合と命題」や数学Ⅲ「複素数平面」などの受験生の多くが苦手であったり演習が不足したりしている単元の出題もしばしば見られます。苦手単元や未習単元を減らす必要があります。

【制限時間に対する問題量】

どの大問も計算量が多く、時間内にすべての問題に解答することは非常に難しいです。そのため、手をつける問題を取捨選択し、効率的に得点する必要があります。加えて典型的な問題も出題されるため、今まで問題を解いてきた経験が解くべき問題の見極めに活きると言えるでしょう。

2021年度(最新の過去問)の分析

ここまでは近年の傾向を見てきましたが、ここではさらに踏み込んで、最新の入試問題を具体的に分析したいと思います。
※以下、過去問をお手元にご覧になるのが理想的ですが、過去問がなくても問題なくお読み頂けます。

【第1問 小問集合(ベクトル、整数の性質、確率)】(標準)

(1)は三角形の外心、垂心の位置ベクトルを求める問題です。典型的な問題で、途中で登場する値も決して複雑なものではありませんが、検算や見直しを通して確実に得点したいです。
(2)は絶対値を含む2次不定方程式の整数解を求める問題です。まずは絶対値の中の数が0以上か負かで場合分けをすることになりますが、ここで対称性に気づけた場合に大幅に時間を短縮できます。ただし、絶対値を処理した後も分数を含む平方完成により整数解の範囲をしぼりこむなど、整数の不定方程式のパターンを熟知していなければなかなか正しい解答に行きつきません。
(3)は感染症の「(偽)陽性」「(偽)陰性」に関する問題です。典型的な条件付き確率の問題で計算も簡単ですが、長い問題文を正確に読み取る必要があり、確率を苦手としている受験生は苦戦したと考えられます。問題文を読みながら自分で表にまとめるなど、情報を整理する力が問われます。

2021年度の目標値
数学を得点源にしたい受験生…(1)(3)は正答したい。
他教科を得点源にしたい受験生… 典型的な問題である(1)を確実に得点したい。

【第2問 複素数平面】(標準)

横浜国立大学2019理工学部後期の第4問と最初から最後まで全く同じ問題が出題されました。
1の7乗根である虚数に関する式の値を考察する問題で、典型的な問題ではありますが、複素数平面の問題に不慣れな受験生にとっては手をつけられなかったと予想されます。

(1)は「7乗すると1」ということを活用すれば事前知識が無くても解くことができます。
(2)は複素数の虚部を三角関数により不等式評価する必要があり、高度な論述力が問われました。
(3)は複素数の極形式と三角関数の積と和に関する公式をもとに式変形をする力が問われました。これも経験が左右する問題でした。

≪2021年度の目標値≫
数学を得点源にしたい受験生…(1)(2)(3)の前半まで正答したい。
他教科を得点源にしたい受験生…(1)を正答したい。

【第3問 数列】(標準)

(1)は与えられた漸化式から数列の第2項から第4項を求める問題でした。分数を含む計算ですが確実に正答したい問題です。
(2)は漸化式の一般項を求める問題でした。与えられた式は一見すると見慣れないものですが、式変形して標準的なパターンに持ち込めます。
(3)は(2)で一般項を求めた数列の極限を求める問題です。ほとんど計算することはなく正答にたどり着けます。
(4)の【前半】は等式の証明問題ですが、実際のところは等式の左辺に(2)の結果を代入して計算するだけですぐに右辺の形になるので計算問題と言っても過言ではありません。
(4)の【後半】は【前半】で証明した等式を利用して数列の初項から第13項までの和を求める問題です。数列の項を書き並べてみたり、等差数列の和の公式の証明法を思い出したりする必要があり、難解に感じた受験生は多かったと思われます。

≪2021年度の目標値≫
数学を得点源にしたい受験生…完答したい。
他教科を得点源にしたい受験生…(1)~(4)【前半】まで正答したい。

【第4問 微分法・積分法(数Ⅲ)】(難)

(1)は媒介変数表示された曲線のグラフを図示する問題でしたが三角関数と絶対値記号が織り交ざっており、冷静に計算処理する力が求められます。
(2)は(1)で図示した曲線で囲まれる部分の面積を求める問題です。絶対値記号を素早く処理するために第1問(2)と同じく対称性に注目する必要があります。また(1)と異なり、面積の計算にあたる定積分を媒介変数による置換積分でおこなうのではなく、xとyの式に書き換えてからおこなうことで計算量を大幅に削減できます。勝負どころで解法の選択肢を残しておくという柔軟な姿勢が求められるという意味では難しい問題でしょう。
(3)は(1)で図示した曲線で囲まれる部分をy軸のまわりに回転させてできる立体の体積を求める問題です。この曲線はy軸方向の増減が単調ではないため、体積の定積分による立式が困難です。そのため「バウムクーヘン分割」といったテクニックは必須と言えるでしょう。
なお、今回の曲線をxとyの式で陰関数表示した式と、第1問(2)の式を陰関数と思ったときの式は酷似しています。(図示したときにx軸方向に拡大した図になります。)
第1問(2)で整数解を図示させている意図は第4問(1)での図示との関連を「ほのめかしていた」と言えるでしょう。
2018年度入試でも同様に第1問の図形と方程式の問題と第4問の複素数平面の問題で全く同じ図が登場していることから意図的であることは間違いないでしょう。

≪2021年度の目標値≫
数学を得点源にしたい受験生…(1)を正答したい。
他教科を得点源にしたい受験生…他の問題に時間をかけたい。

【総評】

着実に積み上げてきた知識を問う問題と計算処理能力を問う問題の両方が出題されました。第3問までは「解ける問題を探して解き進める」姿勢が重要になります。第4問にどれだけ時間をかけられるかは第3問までの出来次第と言えるでしょう。

まとめ

決して難問ばかりが出題されるわけではありません。入試の過去問などの応用問題ばかりを解いて準備するのではなく、基本知識が備わっているかを問う問題の練習により基本知識の抜けをなくすことが合格への最短経路となります。

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