あなたが「医師になりたい」という夢を抱いたのはいつですか?
「医師になる」ためには、6年間、医学部で学んで卒業し、医師国家試験に合格する必要があります。
そして、臨床研修で実務経験を積むことになります。
京都医塾は大学受験のための予備校ですが、
「医学部に合格すること」はゴールではなく、あくまで通過点だと考えています。
じつは、京都医塾では、国公立志望/私立志望にかかわらず、国語の授業が年間通して設定されています。そこでは、1対1の面接・集団討論・小論文や志望理由書の書き方など各種対策を進めながら、さまざまな医療テーマに触れることになります。
・ 自分の頭で考え、それを他者に伝える。
・ 他者の意見を聴いて、自分の考えを深める。
そうして、「医師になる」という「決意」を固め、医学部に合格したあとの短くはない道のりを、前を向いて歩み続けられる力を身につけてもらっています。
このブログでは、実際に「医師になる」という夢を叶えて、医療現場でご活躍されている
全国のスーパードクターのみなさまにインタビューして、
・ 医師になったきっかけ
・ 現在のお仕事のやりがい
・ 医学部を目指す受験生へのメッセージ
について、お伺いしていきます。
受験生のみなさんが、医師として働くイメージを広げる一助となれば幸いです。
【 浅井大介医師 プロフィール 】
出身大学: 徳島大学、京都府立医科大学大学院(医学博士、小児白血病)
勤務先 : 医療法人 杏華会 あかい家のこどもクリニック
医療法人 杏華会 みどりの森こどもクリニック
診療科 : 小児科(小児科専門医・指導医、血液専門医・指導医、新生児蘇生法インストラクター、滋賀県小児科医会理事)
京都府立洛北高校出身。高校3年生の時にシュバイツアーの伝記に触れ、「自分も途上国で活躍してみたい」と決意し、最難関の国立医学部を目指す。
大学病院での勤務などを経て、2018年「あかい家のこどもクリニック」開院。
東日本大震災後の岩手や宮城での支援活動(小児科学会、ジャパンハート)、アフリカザンビア(三重大学)、ベトナム(ACCL)、カンボジア(ジャパンハート)での小児難病疾患に対する医療活動にも尽力している。
医師として働くということ
京都医塾)学生時代から、将来働きたい診療科は決まっていましたか?
浅井先生(以下、浅井))決まっていませんでした。大学5年生の病院実習でこどもと関わる診療科がいいなと漠然と思いました。
京都医塾)そうなんですね。小児科を希望した理由を教えてください。
浅井)33歳で卒業のため、外科系は体力的にきびしいと判断しました。
小児科は全力でこどもの治療にあたるので私には合っていたと思います。
こどもの健康が家庭の笑顔につながる、とてもやりがいのある診療科だと思っています。
京都医塾)現在のお仕事内容を教えてください。
浅井)クリニックの診療では一般診療(主に風邪などの感染症)、ワクチンと四か月検診などを行っています。そのほか、認知行動療法なども取り入れながら、不登校児の対応を毎日行っています。
2つの医院を経営していますがクリニックでは、医師、看護師、助産師、保育士、心理師、作業療法士の多職種で、こどもだけでなくお母さんを支える取組みを行っております。「お母さん科」の名称を商標登録しています。
京都医塾)たくさんのパートナーさん(浅井先生のクリニックではスタッフさんをパートナーさんと呼んでいるそうです)がいるクリニックを経営されている浅井先生ですが、どんな時にやりがいを感じますか?
浅井)しんどい思いをしているこどもに自分達が関わることで、病状が改善された時や、「浅井先生に診てもらえて安心です」と言ってもらった時ですね。
医学部に入るのに9年もかかりましたが、医学部受験での経験は今のクリニック経営にもとても役立っています。
京都医塾)お仕事をされている中で、具体的にどういったときに役立っていると感じますか?
浅井)たとえば、不登校の児童が診察にきたとき、頭痛薬や腹痛薬を処方して改善されるかというと、そうではないですよね。大学・高校に行く目的は何か考える時間を取ってあげて、児童のやりたいことを引き出してあげることが僕の役割だと思っています。
京都医塾)いろいろなご経験をされた浅井先生だからこそ、子どもたちの気持ちを理解できるのでしょうね。子どもだけでなく、親子に寄り添った対応で、サポートをしてくださるのは、患者さんたちも本当に心強いと思います。
医学部を目指す受験生のみなさんへ
京都医塾)これから医学部を目指す受験生へのアドバイスはありますか?
浅井)多くの人はWHAT(何をするのか)、HOW(どうやるのか)ばかり気にします。みなさんもそうではありませんか?「何学部、何大学に行きたい」、「どう勉強したらいいのか」ということばかりです。そうではなくてWHY(なぜやるのか)かとてもとても大切なのです。
みなさんには、医学部に合格した後のビジョンが明確にありますか?まずは受験勉強をする目的をしっかり持ってほしいです。医師になって何をしたいか目標を持つことが大切です。医学部合格は手段にしかすぎないはずです。主体的に人生を選択してほしいです。
京都医塾)医学部合格は、医師になって果たしたい目標を達成するための手段であるということですね!
浅井)その通りです。 こんな話があるのを知っていますか?
レンガを運んでいる3人の職人さんに「何をしているのですか?」と尋ねると、次のように答えました。
1人目 「そんなこと見ればわかるだろう。“レンガ”を積んでいるんだ。」
2人目 「お金を稼ぐために、レンガを積んで壁を作る仕事をしているんだ。」
3人目 「レンガを積んで、町のみんなのために病院を建てているんだ。やりがいのある仕事だよ。」
さて、この3人の違いは何だと思いますか?
京都医塾)本人たちがレンガを運ぶことを「どう捉えているか」ですか?
浅井)そうです!「レンガを積んでいる」という仕事は3人とも同じ。その違いは、職人たちが「仕事をどう捉えているか」「目的意識があるかどうか」なんです。
1人目は目的意識もなく、ただの“作業”として仕事をしているんですよね。2人目は“お金を稼ぐ”目的で仕事をしています。3人目は“町の人たちのために病院を建てる”目的で仕事をしています。
受験においても、親に言われたから、先生に言われたから、ただ勉強するのではなく、「医師になって○○をして人の役に立ちたい」という目的を持って、まずは医学部に合格するために勉強をする、のとでは、結果が全く違ってきます。
これは勉強においても、仕事においても、人生のいろいろな場面に通じることだと思います。
京都医塾)目的意識を持つことの大切さがわかるお話ですね。京都医塾で学ぶ受験生たちにも、改めて受験勉強をする目的を考えてほしいと思います。
最後に、これから医学部を目指す受験生に応援メッセージをお願いします!
浅井)まず、浪人して予備校に通って医学部を目指せる恵まれた環境に感謝してほしいです。
高い学費を払ってくれている親のことを忘れずに日々感謝しましょう。
本当につらい人は病気や事故、怪我など自分の意志とは関係ない不可避な状況と闘っている人たちです。みなさんは健康で経済的にも余裕のある人たちだと思います。医師とは目の前の様々な問題で困っている人たちを助ける職業です。厳しいようですが、自分の都合で泣き言を言うのはやめましょう。
僕自身、ことのことに気が付けたのは26歳のときでした。恵まれた状況に感謝できるようになれば、成績は大きく伸びると思います。
これからの日本の医療を支えてくれるであろう、みなさんの気づきと頑張りに期待しています!
おわりに
「成功への近道は、感謝の気持ちと目的意識を持つこと」
医学部合格は手段にしかすぎないはず。医師になって何をしたいか目標を持つことが大切です。という言葉が印象的でした。
このブログを読んだ受験生のみなさんは、応援してくれる親御さんや周りの人たちへの感謝の気持ちと、医師になった後のビジョンを持って、受験勉強に励んでください。
浅井先生の経験を参考に、医学部合格を目指していきましょう!
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