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愛知医科大学の入試の過去問対策・出題傾向まとめ【数学編】

愛知医科大学の入試の過去問対策・出題傾向まとめ【数学編】


京都医塾数学科です。このページでは「愛知医科大学の数学」についての過去問分析コメントを紹介します。
・“医学部受験に興味がある”という方
・“愛知医科大学”の受験を考えている方
・“愛知医科大学の数学がどのような問題か知りたい”という方
におススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。

概要

【形式・制限時間・配点】2021年度(最新の問題より)
形式:小問集合(答えのみ)&記述式の大問
制限時間:80分
配点:150点(筆記試験全体の配点は500点)
愛知医科大学の数学は「80分・小問集合(答えのみ)&記述式の大問」という形式が続いています。
ただし、小問集合の問題数や全体の問題数は年度によって異なります。
2021年度:小問4問&記述式の大問2問
2020年度:小問8問&記述式の大問3問
2019年度:小問3問&記述式の大問2問

出題の傾向と特徴(3年分)

直近3年分の出題の傾向と特徴をまとめます。

【小問集合に関して】

大問Ⅰは小問集合の形で出題されるのが定番になっています。分野に偏りはなく、様々な分野から満遍なく出題されています。難易度はそれほど高くなく、小問集合でどれだけ点を落とさないかが大事になります。各分野の基礎事項を知識の穴を作ることなく理解し、基本的な解法を使いこなせるようにしておきましょう。

【記述式の大問について】

ここ3年の記述式の大問では、「数列」「微積分(数学Ⅲ)」「確率」「整数」「空間ベクトル」「二次曲線」「図形と方程式」から幅広く出題されています。小問集合に比べると、難易度が高い問題が出題され、計算の量も質も問われる形になっていることが多いです。正確に答えを出すためにも、計算工夫などを積極的に行うようにしましょう。また、大問の後半部には、難易度が高く、最後まで解き切ることが難しい問題も出題されますので、過去問演習などで、その問題を見極める力も養ってください。

【制限時間に対する問題量】

試験時間80分に対して大問3つか4つであり、時間的にはそれほど厳しい試験ではありません。小問集合では、難しい問題が出題されることもありますが、粘り強く取り組み、取るべき問題を取り切ることを目標にしましょう。残りの各大問では、難易度の高い問題が出題される傾向にあるので、解くべき問題と捨てるべき問題を取捨選択することを心掛けましょう。

2021年度(最新の過去問)の分析

ここまでは近年の傾向を見てきましたが、ここではさらに踏み込んで、最新の入試問題を具体的に分析したいと思います。
※以下、過去問をお手元にご覧になるのが理想的ですが、過去問がなくても問題なくお読み頂けます。

【第1問 小問集合】(易~標準)

(1) √が含まれる方程式を解く問題です。無理方程式の解法の基本に則り、√の中の値は0以上、√自体の値も0以上ということから、xの範囲を絞って解を求める必要があります。

(2) AチームとBチームが繰り返し試合をして先に2連勝したチームが優勝になるルールにおいて、Aチームが優勝する確率を求める問題です。
(a) 1試合目でAが勝ったあと、3試合行ってAが優勝する確率を求める問題です。つまり、2試合目にBが、3,4試合目にAが勝つ確率を求める問題になります。
(b) 1試合目でAが勝ったあと、Aが優勝する確率を求める問題です。2試合目以降はBAの順で勝つことが繰り返され、最後にAが勝つとAが優勝になります。そこで、BAの順に勝つことがn回起こると考えて確率を計算し、それらの和が無限等比級数になるので、その収束値を求めることになります。

(3) 座標空間内の三角形の面積と四面体の体積を求める問題です。
(a) 点Aに対してx軸、yz平面にそれぞれ対称な点をB、Cとして△ABCの面積を求める問題です。三角形ABCが直角三角形であることに気づけば計算は楽ですが、ベクトルの三角形の面積公式で成分表示を利用しても解けます。座標空間の問題では、空間ベクトルを成分表示して解いていくことが基本です。
(b) 四面体ABCDの体積を求める問題です。点Dから三角形ABCに下ろした垂線の長さを求める必要があります。この求め方は、空間ベクトルでは必須の解法ですので、分からなかった方はよく復習しておきましょう。

(4) 楕円と楕円外の点との距離が最小になるときの条件を考える問題です。
(a) 点P(p,q)における楕円の法線を求める問題です。法線は接線に垂直な直線ですので、楕円の接線公式から法線の傾きを求められます。
(b) 定点からの距離が最小となる、楕円上の点の座標を求める問題です。問題の条件を満たすとき、(a)で求めた法線が定点を通るので、定点の座標を法線の方程式に代入して、pとqの関係式が一つできます。また、(p,q)が楕円上の点であることから楕円の式に代入するとpとqの関係式がもう一つ作れるので、二つの式を連立してpとqの値を求めます。計算がやや煩雑になるので、根気よく計算する必要があります。

2021年度の目標値
数学を得点源にしたい受験生…(4)(b)以外は完答。
他教科を得点源にしたい受験生…(2)(b),(4)(b)以外は完答。

【第2問 群数列】(標準)

第k群の項数がkの2次式で表されるというやや見慣れない問題です。
(1) 与えられた群数列から、第k群の項数の一般項を求める問題です。kの二次式で表されることは問題の条件に書いてあるので、第1,2,3群の項数から三元連立方程式を解くことになります。

(2) 初項から第k群の末項までの和を求める問題です。(1)の結果より、第k群の和が求まるので、それを利用すれば解けるようになっています。

(3) 初項から第n項までの和が2500を超えるような最小のnを求める問題です。(2)の結果より、第n項が第何群にあるかは計算できます。さらに第何群の何番目で和が2500を超えるかを丁寧に計算していけば良いでしょう。
(1)が解ければ(2)(3)は群数列の典型的な問題です。

2021年度の目標値
数学を得点源にしたい受験生…完答。
他教科を得点源にしたい受験生…完答。

【第3問 微積分法(数Ⅲ)】(やや難)

(1) \(x\sin{x}\) が \(0\le x \le\pi\) の範囲で極大値をただ一つ持つことを証明する問題です。この手の証明問題は与えられた関数の一次導関数や二次導関数を考えると、増減表が書けることが多いですが、この問題では、二次導関数まで計算しても増減表が簡単には書けません。そこで、一次導関数の符号変化が、\(\tan{x}\) と\(-x\) のグラフを考えることにより、判定できることに気づかなければなりません。それにより一次導関数の符号変化を考えて、増減表を書ければ証明はできるでしょう。

(2) 不等式の表す領域の面積の最小値を考える問題です。(1)の結果より、 \(x\sin{x}\) のグラフは描けるので、領域図示はそこまで難しくはありません。よって面積を求める式も立てやすいでしょう。面積の最小値を考えるために、微分して増減表を書く必要がありますが、定積分関数の微分を考えると、計算が楽になるでしょう。
(1)の証明が難しくなっていますが、(1)の証明ができなくても、その結果を用いれば、(2)が解けるようになっています。ただし、試験時間内にそこまで考慮するのは難しいでしょう。

2021年度の目標値
数学を得点源にしたい受験生…できなくても良い。
他教科を得点源にしたい受験生…できなくても良い。

【総評】

第1問、第2問でどれだけ取りこぼさなかったかが勝負を分けたでしょう。第1問、第2問において、考えるべき条件を丁寧に考察し、計算を正確にこなすことができれば、合格に必要な点数には届くはずです。第3問は難解な問題になっていますので、完答するのは非常に難しいでしょう。基本~標準レベルの問題を正確に解ききる力を試された試験でした。

まとめ

小問集合においては、分野の偏りなく正確に答えを導く力、各大問においては、解くべき問題を見抜いて解ききる力が必要になります。小問集合では各分野の基本的な解法が問われますので、まずは、苦手だと感じている分野を基礎事項から復習しておきましょう。そのうえで、問題演習などを通じて、標準レベル以上の問題にも対応できる力を養ってください。

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