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帝京大学医学部の入試の過去問対策・出題傾向まとめ【数学編】

帝京大学医学部の入試の過去問対策・出題傾向まとめ【数学編】


京都医塾数学科です。このページでは「帝京大学医学部の数学」についての過去問分析コメントを紹介します。
・“医学部受験に興味がある”という方
・“帝京大学医学部”の受験を考えている方
・“帝京大学医学部の数学がどのような問題か知りたい”という方
におススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。

概要

【形式・制限時間・配点】2021年度(最新の問題より) 
形式:空欄補充
制限時間:120分で2教科 (実質60分)
配点:100点(筆記試験全体の配点は300点)

帝京大学医学部の数学は「60分・空所補充式」という形式が続いています。
また、大問数が4題と固定されています。

出題の傾向と特徴(5年分)

形式に加え、近年5箇年分(1箇年当たり2日分ずつ)の傾向をまとめます。

※「赤本」に掲載されている、1日目・2日目を対象とします。

【出題範囲】

私立医学部ではかなり珍しく、数学Ⅲは出題範囲外となっています。数学Ⅲが未習、または学校の進度が遅く数学Ⅲの対策が十分でない現役生の受験生には魅力的な大学でしょう。ただ、受験科目が「英語と、数学・理科・国語から2科目」という形式ですから、数学を使わないという選択肢も存在します。

【頻出の出題単元】

出題される範囲が数ⅠAⅡBと限られた中でも、特に積分からの出題が目立ちます。過去5年分(×2日分の合計10回分)の全てで出題されています。特に面積計算が多く出題され、「6分の1公式」を初めとする面積公式が適用できるものばかりです。これらの計算公式を、どんな場面で適用できるのかを含めて適切に使いこなせるようにしておきましょう。

その他、指数・対数関数(9回)や数列(9回)、場合の数と確率(8回)、三角関数(8回)の出題頻度が高くなっています。

一方で、整数(3回)やデータの分析(1回)は、出題される頻度は低くなっています。

【難易度・制限時間に対する問題量】

約60分で大問4つという、医学部入試でもよくある形式になっています。計算量もそこまで多くはありません。ただ、小問に分かれている形式の出題も多く、基礎~標準レベルの問題をサクサクと解き進める力が求められます。
いわゆる難問・奇問と言った問題は少ないので、各頻出単元の典型問題を見て、「直ぐに解法が思い浮かぶ」と言えるようにしておきましょう。

2021年度(最新の過去問)の分析

ここまでは近年の傾向を見てきましたが、ここではさらに踏み込んで、最新の入試問題を具体的に分析したいと思います。

※以下、過去問をお手元にご覧になるのが理想的ですが、過去問がなくても問題なくお読み頂けます。

1日目

【第1問 積分】(易)

(1)は「定積分を用いて表される関数」、(2)は「2つの放物線の共通接線・囲まれる面積」でした。

2問とも非常に典型的な出題形式であり、ある程度勉強できている受験生からすると「落とせない」問題です。(2)の方は、「接する」→「重解」の言い換え、または「12分の1公式」が適切に使えるかで計算にかかる時間が変わってきます。

2021年度の目標値
数学を得点源にしたい受験生…完答。
他教科を得点源にしたい受験生…完答。

【第2問 ベクトル・図形の計量】(やや難)

(1)は円周上の動点に関する問題、(2)は正七角形を題材とした問題でした。

共に、この大学の入試問題としては珍しい「パッと見ただけではどうすればよいか分かり辛い」と言う問題です。(1)は「円周上の動点は三角比で媒介変数表示」、(2)は「条件式のカタチから正弦定理を連想」という所が糸口になります。

2021年度の目標値
数学を得点源にしたい受験生…(1)は正答しておきたい。(2)は(ⅰ)を取りたい。
他教科を得点源にしたい受験生…(2)(ⅰ)は確保したい。

【第3問 対数】(やや易)

(1)は対数の不等式、(2)は対数を用いた関数の最大値を求める問題でした。

対数関数の問題でお決まりの「真数条件を調べる」・「底を揃える」と言った処理を丁寧に実行すれば問題なく得点出来るでしょう。ただ、(2)で「置き換えて二次関数に持ち込む」時の軸と定義域の位置関係の取り方には注意が必要です。

2021年度の目標値
数学を得点源にしたい受験生…完答。
他教科を得点源にしたい受験生…できれば完答。(2)に手間取る場合は、後回しで他の問題に回るという選択肢もあり。

【第4問 確率・数列の和】(やや易)

(1)は「袋から球を取り出す」というよくある題材を用いた確率、(2)は周期性を持つ数列の和の問題でした。

(1)は、状況設定さえ把握してしまえば特に難しいところはありません。

(2)は、典型的な数列ではありませんが、「分からなければ書き出してみる」という事を実行できていれば、周期性に気付かずとも(ⅱ)までは確実に得点出来ます。

2021年度の目標値

数学を得点源にしたい受験生…完答。
他教科を得点源にしたい受験生…(1)は完答。(2)も(ⅱ)までは取り切る。

2日目

【第1問 微分・積分】(標準)

(1)は3次関数の極大値・極小値の和に関する問題、(2)は絶対値付き定積分で表された関数の最小値を求める問題でした。

(1)は、真正面から計算すると非常に煩雑になってしまうので、「解と係数の関係」や「高次式の次数下げ」の知識を活用して処理する必要があります。

(2)は、「変数・定数の区別」や「絶対値を外す際の場合分け」など、この手の問題の典型的な考え方を理解できていれば難なく解き切れる問題です。

2021年度の目標値
数学を得点源にしたい受験生…(2)は確実に取りたい。(1)は計算の工夫に気付かない場合は後回し。
他教科を得点源にしたい受験生…(2)は確保したい。

【第2問 三角関数】(易)

三角関数を置き換えて出来た2次関数の最大値・最小値を求める問題でした。

二段階の置き換えを求められますが、誘導が付いているため、流れに乗れば方針に迷う事もないでしょう。

2021年度の目標値
数学を得点源にしたい受験生…完答。
他教科を得点源にしたい受験生…完答。

【第3問 対数関数と整数・高次方程式】(標準~やや難)

(1)は与えられた条件から3実数の取りうる値を絞る問題、(2)は高次方程式の複素数解に関する性質についての問題でした。

(1)は、「大小関係から1つの文字に着目して存在範囲を絞る」・「平方数(整数の2乗)の性質を活用する」と言った、整数分野特有の考え方を自在に活用する必要があり、なかなか難しい問題でした。

(2)は、数学Ⅲの複素数平面の学習がある程度進んでいる受験生にとっては「1の5乗根/7乗根」という入試レベルでは頻出の題材です。数Ⅲが苦手、または未習の受験生には見慣れない問題であり、糸口を見出すのは難しいでしょう。

2021年度の目標値
数学を得点源にしたい受験生…(2)は確保する。(1)は場合分け・考察に多少時間がかかるので、他の問題を先に片付けて余裕があれば手を付けたい。
他教科を得点源にしたい受験生… (2)を取りたい。(複素数平面が既習の場合)

【第4問 確率漸化式】(やや易)

くじ引きを題材とした、典型的な確率漸化式の問題でした。

1回の試行で2つの操作を行うため、複雑に感じるかもしれませんが、「当たり」のくじが移動する・移動しないの2パターンを把握し、落ち着いてn回目と(n+1)回目の推移を読み取れば問題なく完答できます。

2021年度の目標値
数学を得点源にしたい受験生…完答。
他教科を得点源にしたい受験生…できれば完答したい。

【総評】

1日目は第2問、2日目は第3問にやや難しい問題を含んでいますが、基本的には入試基礎レベルの典型問題が並んでいます。取るべき問題と後回しにする問題を適切に見極めましょう。

まとめ

「数学Ⅲが出題されない」という所に惹かれる受験生も多いかと思いますが、数学ⅠAⅡBの基礎固めができている必要は当然あります。各頻出単元の基礎知識の穴を潰し、標準レベルの問題を確実に解き切る力を身に付けておきましょう。

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