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2022年度旭川医科大学医学部の英語過去問対策・分析

2022年度旭川医科大学医学部の英語過去問対策・分析

 

京都医塾英語科です。
このページでは「旭川医科大学の英語」についての過去問分析コメントを紹介します。

・“医学部受験に興味がある”という方
・“旭川医科大学”の受験を考えている方
・“旭川医科大学の英語がどのような問題か知りたい”という方
におススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。

概要

【形式・制限時間・配点】2022年度(最新の問題より) 

形式: 記述
制限時間:90分
配点: 200点

出題の傾向と特徴

2018年度以降の5年分についての傾向をまとめます。

【毎年恒例の出題形式】

① 長文読解(2題)
② 自由英作文(1題)


出題形式は固定されています。長文問題2題のうち、第1問は日本語での解答を、第2問は英語での解答を求められています。英作文は毎年自由英作文で出題されています。自由英作文の解答欄の大きさは、20cm×25行、ただし年度により多少の増減があります。

【制限時間に対する問題量】

長文の第1問は1100語程度、第2問は800語程度です。各設問にたいする解答の記述量はそれほど多くありません。英作文では解答欄の大きさを考えると、だいたい150語前後を書くことが求められています。総じて、医学部受験レベルの英語で戦う準備ができている(例えば、標準的な単語帳は1冊マスターしている、基本的な英作文の表現は単純ミスなくスラスラ書ける)ならば、時間的な圧迫を感じることはないでしょう。

2022年度(最新の過去問)の分析

ここまでは近年の傾向を見てきましたが、ここではさらに踏み込んで、最新の入試問題を具体的に分析したいと思います。
※以下、過去問をお手元にご覧になるのが理想的ですが、過去問がなくても問題なくお読み頂けます。

【第1問】(難易度:標準~やや難) 

「科学の研究において何らかの成果がほぼ必ず上がっているのはなぜか」について問う長文読解問題です。科学的な発見が「異常に高い確率でなされる」ことに違和感をもつ筆者が、その成果の産出プロセスを、科学者自身による選択や、サンプリングの際に生じうる問題などについて論を展開します。受験生であれば、科学的な発見に関する長文問題を読み解いた経験はあるでしょう。この第1問は、そうした成果の「背後」に潜むメカニズムに視線を向けており、内容を読み取るのに通常よりは時間がかかったかもしれません。また、内容と相まって求められている語彙レベルも若干高く感じられるところもあります。


時間的な余裕はありますから、読みづらいところは丁寧に速度を落として、必要なら何度か読み直して理解していきましょう。幸い、設問に対する解答は、下線部周辺が根拠となっていることがほとんどですから全く何を答えてよいかわからないということにもならないはずです。


≪2022年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…7割以上
他教科を得点源にしたい受験生…5割

【第2問】(難易度:標準) 

例年、2020年までは、英問英答式のこの第2問においては、内容一致問題(本文に照らしてTかFかを判断する問題)が出題されていましたが、2021年に姿を消し、それは2022年度にも踏襲されています。大問1とは異なり、この大問2は英語で解答する形式ですが、本文中の表現をうまく利用して解答を作成することができるので、解答根拠となる該当箇所さえ見つかればごく標準的なレベルといえそうです。


テーマは乳糖不耐症と現代社会における乳製品の消費動向についてです。身近な乳製品についての話題が、具体的な数値や歴史的なエピソードを交えて語られていくため、内容は比較的わかりやすい部類に属します。本文中に見慣れない語も散見されますが、注がなくとも前後から十分推測可能なので問題ありません。


≪2022年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…8割
他教科を得点源にしたい受験生…6割

【第3問】(難易度:やや難) 

テーマを与えられてそれについてどの程度賛成か反対かを述べる自由英作文です。設問文は次のように英文で書かれています。”Some people say animals exist for human pleasure and our needs, as we are at the top of the food chain. Therefore, animals are just commodities for humans to exploit whenever required. To what extent do you agree or disagree with this opinion? Write an essay in English. Support your argument with reasons and examples.” 設問文中にすでにGeneral statementが与えられているので、これに対してどの程度賛成か反対かを考え、自身の意見をまとめ、例をあげつつサポートを書く必要があります。語数指定はないものの、解答欄の大きさ(20cm×25行)となっています。これは、少なくとも150語、できれば200語程度は書けるスペースが与えられています。


また、自由英作文では設問文を丁寧に読みましょう。見落としがないか、できれば3回は読み直してください。今回の設問文で与えられた意見は、「動物は人間の享楽や必要性のために存在している。というのも、人間は食物連鎖の頂点にいるからだ、という意見を持つ人がいる」というものです。「動物は…存在している」という意見にたいしてだけならば、動物のペット利用賛成(反対)や、動物実験にたいする賛成(反対)を書くことも可能です。しかし、課題文では、文字通り「食物連鎖の頂点にいる」という点が根拠となっていると読めます。したがって、その範囲における動物利用の是非について書いた方が、問題の求めに応じられているでしょう。そうすると、思いつくテーマとしては、食用として家畜を利用すること、水産資源の利用、などが上げられます。これらに対して、賛成ならば「人間の生存のためにはやむを得ない」という書き方が、反対ならば前者については「動物の生存権」、後者については「過剰な環境破壊と人間に対するしっぺ返し」のようなお決まりの書き方でそれぞれ書けるはずです。設問文の一部の見落としによって、英作文全体の得点が0点になってしまっても文句は言えません。設問文をとにかく丁寧に読み込みましょう。

≪2022年度の目標値≫

英語を得点源にしたい受験生…7割以上
他教科を得点源にしたい受験生…5割を目指す

【総評】

旭川医科大学の英語は、時間的な圧迫は少なく、考える時間も適度に与えられています。長文読解問題の問いの形式は、漠然としているところもありますが、解答根拠となる箇所は下線部周辺に存在しているので標準的な難易度といえるでしょう。英作文では、求められている語数は他大学と比べると多めなので、普段から100語以上の英作文を苦労せず書けるようになるまでには訓練を積んでおく必要もあるでしょう。6割台の得点を目指しつつ、英語に自信のある受験生はそれ以上の7割を超える得点を、英語が苦手な受験生はなんとか5割は切らない程度に踏みとどまることができれば十分戦えるでしょう。

まとめ

というわけで、今回は旭川医科大学の英語についてまとめてみました。皆さんの参考になれば幸いです!
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投稿者:野口 剛

  • 役職
    英語科主任/英語科講師
  • 講師歴・勤務歴
    9年
  • 出身大学
    京都大学教育学研究科
  • 特技・資格
    なし
  • 趣味
    読書
  • 出身地
    愛媛県
  • お勧めの本
    最高の任務

受験生への一言
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