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防衛医科大学校の一般入試の過去問対策・出題傾向まとめ【英語択一編】

防衛医科大学校の一般入試の過去問対策・出題傾向まとめ【英語択一編】

 

京都医塾英語科です。

このページでは「防衛医科大学校の英語(択一式)」についての過去問分析コメントを紹介します。
・“医学部受験に興味がある”という方
・“防衛医科大学校”の受験を考えている方
・“防衛医科大学校の英語がどのような問題か知りたい”という方
におススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。

概要

【形式・制限時間・配点】2021年度
形式: マーク式
制限時間:英数国合わせて90分
配点: ?点

出題の傾向と特徴

【毎年恒例の出題形式】

択一式に関しては長文が1つ出題され、その中で

①空所補充(7問)

②段落挿入(1問)

③タイトル・サブタイトルを考える(2問)

④下線部の語の意味を問う(1問)

⑤内容一致系の問題(4問)

の計15問が問われます。

【頻出の出題単元】

上記に同じです。

【制限時間に対する問題量】

数学や国語との兼ね合いがあるので何とも言えませんが、長文自体の長さとしては標準的なものです。

2021年度(最新の過去問)の分析

ここまでは近年の傾向を見てきましたが、ここではさらに踏み込んで、最新の入試問題を具体的に分析したいと思います。
※以下、過去問をお手元にご覧になるのが理想的ですが、過去問がなくても問題なくお読み頂けます。

【第1問 空所補充】(難易度:やや難)

そもそも文章が非常に読みにくいです。要するに「人類にとって最大の敵となる生き物は蚊だ」というテーマで、それ自体を理解することは難しくないのですが、受験英語の文脈では対応できない語が頻繁に登場し、文章をきっちり理解したいと思う几帳面な受験生ほど読んでいて不安になるタイプの英文です。この空所補充問題でも”runner-up”などという見慣れない(少なくとも筆者は初めて見ました)という語が選択肢に出てきます。しかし、明らかに分かるものから埋めていき、このrunner-upは最後に余ったところに入れれば大丈夫ですので、いかに焦らずに対応できるかがカギになりそうです。

≪2021年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…5問中5問
他教科を得点源にしたい受験生…5問中3問

Of course, human expiration via exsanguination by mosquito is exceedingly rare. という文で始まる段落を適切な場所に挿入する問題ですが、この文だけを見せられたら、私は理解できなかったと思います。一応、この後の展開や本文の内容を踏まえると、どこに挿入するのかは推測できる仕掛けになっているのですが、解答に自信を持てない受験生が多かったのではないかと思います。とはいえ、合格するためには英語が苦手な人でも正解しなければならないところでしょう。

【第2問 段落挿入】(難易度:やや難)

≪2021年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…1問中1問
他教科を得点源にしたい受験生…1問中1問

【第3問 タイトル・サブタイトルを決める】(難易度:標準)

タイトルを決める問題なので、内容を理解していれば解けるはずなのですが、語句整序の形式になっているのがうっとうしいところです。特にタイトルを決める問題ではoutsizeという意味は予測できるけれど見慣れない単語が入っており、ここをうまく使えるかが正解できるかどうかのカギになりそうです。

≪2021年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…2問中2問

他教科を得点源にしたい受験生…2問中1問

【第4問 下線部の意味を問う問題】(難易度:やや難)

正確には「下線部の語の意味として不適切なもの」を5つの選択肢から1つ選ぶ問題です。おそらく文脈的に考えろという問題なのでしょうが、正直文脈から意味を推測するのは難しいように感じます。underdog winと形容詞的に使われているので、「勝利」という語と結びつきにくい語を選ぶ感じになりそうです。とはいえ、small fryという筆者には未知の語が選択肢で出てきたりで、あまり良問とは思えません。

≪2021年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…1問中1問

他教科を得点源にしたい受験生1問0問

【第5問 空所補充】(難易度:やや難)

空所補充が2問出てきますが、最初の問題はかっこの前後で使われている語のレベルが高く間違えても仕方ない問題だと思われます。一方、2つ目の問題はそこまで難しくないので、これは合わせたいところです。

≪2021年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…2問中1問

他教科を得点源にしたい受験生…2問中1問

【第6問 内容一致系】(難易度:やや難)

内容一致系の問題が3問出題されますが、どれも慎重に吟味する必要があります。最後の問題などは、筆者は何度読んでもどれが正解か分かりませんでした(ちなみに答えは非常にばかげたものなのですが、私は全く気づきませんでした…)。

≪2021年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…3問中2問

他教科を得点源にしたい受験生…3問中1問

【総評】

防衛医大の択一式は決して簡単な問題ではありません。また、じっくり考えると他の科目に影響するので、そこも難しいところです(令和4年度の入試から択一式と記述式が同じ時間で実施されるようなので、他科目との兼ね合いという問題はなくなりそうですが)。とにかく使われている語彙が難しい可能性もあるので、普段からよく分からない単語が出てきても文脈から推測したり、あるいは分からないところは飛ばしながらでも読んでいける訓練をしておくべきでしょう。

まとめ

というわけで、今回は防衛医科大学校の英語(択一式)についてまとめてみました。皆さんの参考になれば幸いです!

京都医塾ではご相談・体験授業を随時募集しています。下記リンクからお気軽にお問い合わせください。

投稿者:吉田 恒

  • 役職
    英語科統括/英語科講師
  • 講師歴・勤務歴
    25年
  • 出身大学
    京都大学文学部
  • 特技・資格
    英検1級、TOEIC満点※3~4年前
  • 趣味
    読書・音楽を聴く・自転車(休眠中)など
  • 出身地
    京都府
  • お勧めの本
    貴志祐介か小川洋子の本を読んで下さい

受験生への一言
京都医塾には個性的で優秀な英語の先生が揃っています。英語が苦手な人、どうやっても英語の成績が上がらない人、英語の勉強法が分からない人、そんな皆さんに来て頂きたいです。