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医学部2次試験対策! 2022年・医学部入試で出題された小論文テーマ一覧

医学部2次試験対策! 2022年・医学部入試で出題された小論文テーマ一覧

医学部は、科目ごとの試験に加えて、2次試験で小論文や面接が課されることが一般的です。

しかし、高い学力が求められる医学部入試であるが故に、小論文や面接の対策を後回しにしてしまい、直前期にあわてて対策をする…という方も少なくありません。

論理的な思考に基づいてテーマに沿った文章を書く必要のある小論文は、一朝一夕の対策では成果を出すことが難しいのが現実です。

そこで今回は、2022年の医学部入試において出題された小論文テーマを一覧でご紹介したうえで、小論文にはどのような対策が必要なのかまで詳しく解説します。

医学部2次試験では、小論文・面接を課す大学がほとんど


国公立・私立含め、多くの医学部の2次試験では小論文・面接が課されます。

国公立大学では、そのほかに大学独自の学科試験が課されており、その配点が高いことから、小論文・面接の対策をついつい後回しにしてしまう受験生が少なくありません。また、一部で「小論文の結果では不合格にならない」と、小論文の配点を軽視してしまう受験生がいる、ということも耳にします。

しかし、難関の1次試験・2次試験の学科試験・面接を突破したにもかかわらず、小論文の得点が足りずに残念な結果になってしまった医学部受験生は少なくなく、医学部2次試験の小論文が合否にしっかりと関連する試験であることは自明です。

小論文は、テーマに応じた論理的な文章を書く力が求められます。
そして、その力は一朝一夕の対策では培えません。志望する大学で小論文が課されている場合には、あらかじめ過去問から出題傾向を把握し、きちんと小論文対策を行うことが重要です。

なぜ医学部の2次試験では小論文が出題されるのか?


国公立大学の医学部以外の学部の入試科目を見てみると、小論文を課す大学・学部は非常に少なくなっています。それではなぜ、多くの医学部の2次試験では小論文が出題されるのでしょうか?

その主な理由は、「医師としてふさわしい資質があるかを判別する」という目的にあります。
医師は、人々の健康や生命を扱う職業です。そのため、医学部の入学試験における小論文・面接には、倫理観を欠いた目的で医師になろうとする人を防ぐ目的もあります。

学科試験のみでは、その人物の人となりや考え方を知ることはできません。
小論文を通して、その人物の人間性や医師を志す目的、またコミュニケーション能力を確認し、医師を目指すにあたって足る人物であるかどうかを判定することが、小論文を課す目的の1つです。

そのため、各大学が出題する小論文のテーマは、受験生の医学や社会問題に対する考え方を掘り下げる内容となっている場合がほとんどです。

2022年度入試から分析!医学部2次試験・小論文の出題テーマ一覧

前項では、医学部入試においてなぜ小論文が課されるのか、について説明しました。
この前提を踏まえて、2022年度入試における、医学部2次試験における小論文の出題テーマを分析していきましょう。

医学部2次試験で問われる小論文の主な出題形式

各大学の出題テーマを見ていく前に、2次試験で問われる小論文の主な出題形式5つを簡単にご紹介します。

課題文読解型
出題された課題文の要約や文章に対する意見論述
(課題文を読解したうえで、その文章に対する自分の意見を論述する形式)

テーマ型
「〇〇について述べなさい」といった、テーマに沿った論述
(医療問題に関する設問、自分の将来像、医師になる目的、社会問題など、様々な観点から出題される)

現代文型
主題に関する設問に、論述形式で回答する
(国語の現代文に近い形式)

図表分析型
図や表からデータを読み取り、分析した内容に対する意見論述
(将来的な人口動向、高齢化率、感染症による重症・死亡率など、さまざまなデータが出題される)

英語課題文
出題された英語の課題文の要約や文章に対する意見論述
(英語での回答が求められる)

2022年度医学部2次試験・小論文の出題テーマ一覧

以下は、2022年度医学部2次試験における、小論文の出題テーマ一覧を表にまとめたものです。
自分の志望大学の過去の出題傾向を知るために活用いただくほか、他大学の出題内容を知ることで、日ごろから関連する知識を収集するよう、お役立てください。

大学名 時間/配点 大問1 大問2
形式/ジャンル/テーマ 小問数 小問パターン 形式/ジャンル/テーマ 小問数 小問パターン
弘前大学 120分
/300点
英語課題文
医学・医療・医業―検査結果の解釈について
6 ・具体例選択
・内容説明
・空欄補充(2問)
・その他(数学)
課題文読解型
医学・医療・医業―被曝と遺伝子変異について
7 ・空欄補充
・理由説明
・内容把握
・図表
・内容説明
東北大学 30分
/面接200点に含まれる
テーマ型
自由作文
(文の出だしに言葉をつなげて文をつくる形式)
テーマ型
環境問題―SDGs
(身近でできること・妨げになること)
秋田大学 120分
/100点
英語課題文
事実の理解について
3 ・内容説明(日本語150字)
・内容把握(日本語20字)
・具体例提示(日本語250字)
課題文読解型
相関と因果について
3 ・内容説明(75字)
・意見論述(100字)
・その他(75字)
山形大学 90分
/100点
※「国語」として出題
現代文
評論―現代の景観の特徴について
8 ・内容説明(5問)
・空欄補充
・本文表現の特徴 他
現代文
小説
7 ・語句の意味
・内容説明
・心情説明
・複数テクスト問題 他
群馬大学 90分
/150点
(英語)課題文読解型
ケアリングをテーマとする物語
16 ・内容説明(5問)
・理由説明(10問)
・自由記述(1問)
東京大学 100分
/80点
※「国語」として出題
現代文
評論―ナショナリズムについて
5 ・内容説明 他 ■大問2
古文
中古文学―『浜松中納言物語』
■大問3
漢文
政治論(『呂氏春秋』)
各3 ■大問2
・内容説明
・現代語訳
■大問3
・内容説明
・現代語訳
東京医科
歯科大学
120分
/100点
課題文読解型
日本論―異文化を輸入する困難について
2 ・理由説明(150字)
・意見論述(500字)
課題文読解型
睡眠について
3 ・内容説明(25字×4)
・内容説明(200字)
・意見論述(250字)
横浜市立大学 60分
/段階評価
テーマ型
医学・医療・医業―高齢医師とそのキャリア
1 ・意見論述(1000字)
福井大学 90分
/100点
課題文読解型
生命倫理―安楽死・尊厳死
2 ・内容説明(200字)
・意見論述(400字)
英語課題文
科学×倫理―感染症への対応とデータの扱いについて
2 ・内容説明(200字)
・意見論述(400字)
浜松医科大学 80分
/100点
課題文読解型
超解像顕微鏡について
1 ・意見論述(800字)
名古屋大学 45分
/150点
※「国語」として出題
現代文
評論―「居場所」の特異性について
6 ・内容説明
・空欄補充 他
三重大学 120分
/200点
英語課題文
コロナ禍における教育について
5 ・内容説明(4問)
・意見論述(200字)
英語課題文
環境問題―2021年度ノーベル物理学賞について
4 ・内容説明(3問)
・理由説明(1問)
京都大学 90分
/150点
※「国語」として出題
現代文
評論―伝統と美について
4 ・内容説明
・理由説明
■大問2
現代文
随想―日本語講座での出来事
■大問3
古文
恋の歌(『建礼門院右京大夫集』)
各3 ■大問2
・内容説明
・心情説明
■大問3
・現代語訳
・心情説明
佐賀大学 出願時に1200字の課題論文の提出が求められる
山口大学 120分
/300点
課題文読解型
医学・医療・医業―経済政策
4 ・理由説明(3問)
・意見論述(1問)
英語課題文
医学・医療・医業―人獣共通感染症
4 ・内容説明(3問)
・意見論述(1問)
鹿児島大学 90分
/200点
課題文読解型
医学・医療・医業―臨床研究とりわけAIの扱い
4 ・内容説明(2問)
・意見論述(2問)
琉球大学 120分
/100点
■大問1
英語課題文
医学・医療・医業―医療の選択とSNS
■大問2
英語課題文
医学・医療・医業―トリアージについて
大問1:3
大問2:2
■大問1
・理由説明
・内容説明
・自由記述
■大問2
・内容説明
・意見論述
■大問3
英語課題文
生化学について
■大問4
英語課題文
医学・医療・医業ーウイルスの突然変異について
各3 ■大問3
・内容説明
・英文和訳(150字)
・内容把握(200字)
■大問4
・内容説明(2問)
・理由説明(1問)

2023年度入試に向けて・小論文対策はどうすればいい?

ここまで、医学部2次試験における小論文の位置づけや出題テーマについて解説してきました。
読んでくださった方の中には、「小論文の位置づけはわかったが、どういった対策をしていけばいいかが心配…」という思いを持たれた方もいらっしゃるかと思います。

以下では、2024年度入試の小論文対策としてどのようなことをしていくべきか、ステップ別に解説します。

【STEP1】基本的な書き方を学ぶ

小論文をこれまでに書いたことがない方は、まずは小論文の基本的な書き方を押さえることをおすすめします。

「小論文の書き方」といった参考書や、予備校の小論文の基礎講座などを活用して、出題形式別の書き出し、構成の立て方、常体・敬体の統一、起承転結の組み立て方、間違えやすい表記の確認など、実際に小論文を書く前に基本的な書き方を理解しましょう。

練習問題のような形で、短めの小論文に挑戦してみることもおすすめします。

【STEP2】志望大学の過去問を分析する

ある程度小論文の基本を学んだのち、志望大学の過去問を分析しましょう。

医学部の小論文では、最新の社会情勢、いわゆる時事に関するテーマも多く出題されています。そのため、志望校の出題テーマでどのようなジャンル・時流のテーマが出題されているのかを分析することで、日常生活でその分野の知識を意識的に収集するなど、一朝一夕ではできない対策につながります。

普段から医療や社会問題の知識をつけておくことは、医学部の小論文対策として非常に有効です。また、過去に英語課題文が出題されたことのある大学においては、医療に関する英語語彙を増強しておくことも、有効な対策の1つと言えます。

【STEP3】実際に小論文を書いてみる

遅くとも、夏〜秋口にかけての時期に、実際に一度は志望校の小論文を書いてみることをおすすめします。

その際に気を付けるべき点は、時間配分です。
小論文の試験では、構成(プロット)を立てる作業から実際に文章を書き、最後に推敲(見直し)をするまで、全て制限時間内に行う必要があります。

小論文の基礎対策は、基本的には「書くこと」に注力した練習が中心です。そのため、本番の試験を想定して時間制限の中で記述をすることで、プロットを立てるまでに時間がかかりすぎている、推敲に見落としがあるなど、別の課題を発見することができます。

【STEP4】添削を受ける&書き直す

小論文試験では、採点基準が公開されていないことが一般的です。
そのため、せっかく書き上げたとしても、自分の小論文が実際の試験でどのような評価を受けるのかは、自分では判断ができません。

また、自分では「よく書けた」と思っていても、論の展開に甘さがあったり、表現がわかりにくかったり、主述が不一致になっていたりと、文章に問題がある場合がしばしばあります。

そのため、小論文は、第三者に添削をしてもらうことを強くおすすめします。
文章を客観的に分析してもらうことで、自分では気付けなかった構成や表現の不備を発見することができます。

加えて、医学部入試に精通している人物に添削をしてもらえれば、入試における評価がどのようなものになるかまで知ることができます。

また、小論文を添削してもらった後は、必ず書き直しをしましょう。
「一度書いた内容を書き直すことに意味はないのではないか」と思われるかもしれませんが、それは誤りです。言葉は「使うこと」で自分のものとなります。いくら質の高い添削結果をもらったとしても、目で見て「なるほど」と思うだけでは、使いこなすことはできません。

試験の際に自分が表現として用いられるように、書き直しによって表現を定着させることを強くおすすめします。

2次試験対策まで徹底サポート・医学部合格を目指すなら京都医塾

記事全体を通して、医学部合格のためには、学力のアップだけではなく2次試験の小論文や面接の対策が必要であることがお分かりいただけたかと思います。

医学部受験生の中には、学力面以上に、小論文や面接に不安を抱える方が少なくありません。そのため、小論文の添削や面接対策など、2次試験対策を徹底的に行ってくれる予備校に通学したい、というお声をしばしばうかがいます。

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以下では、京都医塾について、より詳細にご紹介します。

医学部二次試験にも対応! 小論文・面接指導

京都医塾では、小論文と面接指導における専門講師を配置しています。

繰り返しになりますが、医学部の2次試験では、医師としての適性を判断するべく、ほとんどの大学で小論文や面接を課しています。難関の1次試験を突破したとしても、2次試験の対策が不十分だと残念な結果となることがあるため、十分な対策が必要です。

京都医塾では、小論文・面接についても、専門家が親身に寄り添い、的確かつ適切なアドバイスを行います。2次試験の直前期まで、繰り返し練習可能ですので、十分な対策を講じた上で、自信をもって2次試験に臨めます。

入試と入試の間の超直前期も徹底対策・万全のフォロー体制

京都医塾では、受験生の入試と入試の間、受験直前期も徹底的にフォローする体制を整えています。

一校目の入試後、入試でできなかった箇所、わからなかった箇所をすぐに洗い出し、次の入試日までに確実に得点するためのフォローを実施します。また、面接や小論文の添削を細やかに行い、不安なく2次試験に臨める体制を構築します。

究極の入試直前期である、入試と入試の間の期間でもさらなる学力アップ・2次試験対策を図り、合格という最高の結果に繋がるサポートを行います。

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一人で考え込んでしまうと時間がかかりすぎてしまう問題も、ポイントを抑えた解説を聞くことで、効率的に理解できます。特に、直前期の「わからない」を即座に解決できるのは、受験生にとって大きな強みとなります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
2次試験に向けて、小論文対策は重要です。限られた時間だからこそ、添削を受けられる環境で、過去問に合わせた対策ができるように環境を整えましょう。直前期だからこそ、無理しすぎずに効率的に学習することが大切です。

また、この記事を読んでくださった方の中で、入試直前にきめ細やかな指導を提供してくれる京都医塾にご興味をもたれた方も多いかと思います。

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